本屋大賞受賞作!「流浪の月」を読んでみた感想📚

こんにちは!

今回は、最近読んだ小説「流浪の月」についての感想を書こうと思います。
最近はあまり小説は読んでいなかったのですが、久しぶりにふと読みたくなり手に取ってみました!📚

タイトル「流浪の月」とは?🌕

2020年本屋大賞受賞作『流浪の月』(凪良ゆう著)

本を読み終わり、タイトルの意味が気になり言葉の意味や象徴することについて調べてみました!

流浪 とは?
さまようことさすらうこと。

さすらう とは?
当てどなくさまよい(旅して)歩くこと

月が象徴するものとは?
月の満ち欠けや周期的な変化から、成長、発展、変化、永遠の美しさなど様々な意味を象徴

調べてみると、この物語を象徴したタイトルだなと改めて感じました。

 
タイトルの解釈については後半にまた触れていきたいと思います♪

「流浪の月」- 物語のあらすじ –

この本の裏側には、

「家族ではない、恋人でもない
— だけど文(ふみ)だけが、わたしに居場所をくれた。彼と過ごす時間が、この世界で生き続けるためのよりどころとなった。それが、わたしたちの運命にどのような変化をもたらすかも知らないままに。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい —。

と書かれていました。

家族ではない、恋人でもない居場所となる関係にはどんなものがあるのだろうか?ととても興味をそそられました。

※ネタバレあり

2人はどんな関係なのかと読み進めてみると、小児性愛に悩む孤独な男両親を失い家庭環境に苦しむ少女の物語でした。

少女は両親がいなくなり、預けられた祖父母の家での生活が苦しく毎日家に帰るのが苦痛でした。
そんなとき、公園にいつもいる男の優しさに触れ、家に行くことになり2ヶ月間生活をします。

孤独でおかしくなりそうだった男と、両親がいなくなり愛に飢えていた幼児にとってその時間は温かく特別な時間でした。

しかし、そんな時間は束の間、ニュースで誘拐と取り上げられ、遊園地へ遊びに行った時に幼女誘拐で男は捕まってしまいます

ただ純粋に、ぽっかりと空いた心の穴を補い合える2人の関係だったのですが、世間からは誘拐した男と、誘拐された被害者としてのレッテルが貼られてしまいます。

そこから何年もたち、2人は偶然再開します。

ずっと付きまとう世間からの加害者と被害者という構図
もうお互いに相手を傷つけたくないと思いながらも、空白の時間すら心の拠り所としていた2人は心の距離が縮まっていきます

会う頻度が増え一緒にいるようになることで噂が広がり、終わったはずの過去をほじくり返すように週刊誌に連載されてしまいます。。。
悪夢の再来です、昔のようにまた世間からのバッシングが大きくなっていくのです。

しかし、成長した2人は強い絆で結ばれ、お互いを拠り所として世間からの批判や陰口を跳ね除け自分たちの理想の関係を築いていきます。

一生消えない過去、覆らない加害者と被害者という構図。

2人は過去と世間からの重りを背負うことを覚悟して、一緒に生活していく選択をすることで新たな未来を切り拓いていくことを決心するのです。

「流浪の月」を読んでみた感想

名前のつけられない特別な関係性

誰もわかってくれない、世間からのみる「真実」(幼児誘拐)と2人しか知らない「事実」(何もない落ち着いた生活、心の拠り所)。

世間から押し付けられる2人の関係の裏には、名前をつけることができない2人の関係性がある。
誰にも理解してもらえない苦しみ、世間からの冷たいささやき…。

この物語には、切なくも確かな美しい2人だけの世界があると心が動かされました。

一生消えないデジタルタトゥー

過去に犯罪としてニュースで取り上げられ、顔も身元もネットにさらされてしまった2人。

この物語の世界だけでなく、現代では「デジタルタトゥー」という言葉があるようにとても身近にある恐ろしいことだと思います。

昔と比べ、誰でもSNSで発信をしていくことができるようになったことで、小さな出来事が大きな傷になってしまうことが増えてきたと思います。

私はSNSでは情報発信をしないのですが、自分の発言に対してアンチや否定的な言葉を浴びせられたり、晒上げられてバカにされたりしているのを見ていると利用するのが怖くなります。

最近は自分の考えや身近なことなどを発信していきたいなと思うようになったので、自分を守るためのルールや使用方法をよく考えながら使っていきたいなと思いました。

タイトル「流浪の月」に込められた意味とは?

(過去の2人)

  • 他人との違い、孤独に苦しみ自分の世界をさまよう男
  • 両親がいなくなり、祖父母の元で生きた心地がしない生活をする幼女

そして、
(大人になって)

  • 逮捕後も自分の殻に閉じこもり自分の世界にさまよう男
  • 事件後に普通の生活をしようともがきながら違和感の中をさまよう女

このような2人の姿を、「流浪」という言葉に集約しているのかもしれないと思いました。

また、物語の結末は2人が互いの理解者として世間の声に立ち向かい、2人しか知らない「事実」としての幸せを掴んでいきます

過去をさまよい続けた男女の変化、2人の名前のない関係性など儚くも美しく感じる物語に、成長、発展、変化、永遠の美しさを象徴する「」として表現されているのかもしれないと感じました。

解釈は違うかもしれませんが、タイトルに物語が集約している作品だと思いました!
久しぶりに小説を読んでみてよかったです(●´ω`●)

本を読み終わった後、この物語が映画になっていることを知りました!🎞️
興味を持った方は是非映画も観てみてください♪